2023年12月2日(土)、3日(日)に、天理大学体育学部キャンパスにて身体運動文化学会第28回大会を開催いたしました。
今大会は、「自然と人間」をテーマとし、大会1日目の基調講演では株式会社モンベル代表取締役会長兼CEOでいらっしゃいます辰野勇先生より、「夢と冒険 今リーダーに求められる力」という演題でご講演を頂きました。辰野先生の壮大な冒険譚や人間の存在、さらには企業経営、そしてこれからの時代にリーダーとして求められる力についてお話しいただきました。スケールの大きい話に聴講者は皆惹き込まれ、耳を傾けていました。また、最後に再生していただいた、辰野先生が50年ぶりにアイガーに登頂された動画にはただただ感銘を受けました。
辰野先生のご講演のあとはシンポジウム「自然の中で育む身体」を開催いたしました。
シンポジストに蓬田高正先生(天理大学体育学部)、山本展明先生(奈良教育大学)、中谷敏昭先生(天理大学体育学部)の3名の先生をお迎えし、まずは各先生からご発表をいただきました。
蓬田先生には野外教育という領域について、その定義や歴史についてお話しいただいただけでなく、さらには最近の研究についてもご紹介いただきました。山本先生にはご自身が保育スタッフとしても活動されている森のようちえんについてのご紹介、そしてその中で行ったフィールドワークによる「エピソード記述」の研究成果についてお話いただきました。中谷先生には人生における健康について、ご専門の体育測定評価学の観点から豊富なデータをもとにお話しいただき、自然の中で楽しむスポーツを含む「一人十色のスポーツライフ」について提言していただきました。
シンポジストの先生のご発表後、辰野勇先生、岡田龍樹先生(天理大学副学長)にコメンテーターをお務め頂き、シンポジスト3名の先生方と議論をしていただくことになりました。辰野先生・岡田先生がまず、各シンポジストの先生のご発表にそれぞれコメントを述べられたうえで、岡田先生がご質問を投げかけられ、ディスカッションがスタートしました。ディスカッションの中では辰野先生から示唆に富むコメントも頂くことが出来ました。最後にフロアの先生との質疑応答をした上で、時間を迎え、終了いたしました。
大会2日目には一般研究発表を開催し、様々な分野から10名の先生がご自身の研究成果について発表され、参加者との質疑応答も活発に展開されました。総会では、昨年度発刊の「身体運動文化研究」第28巻第1号の原著論文の中から優秀論文賞が発表され、柳 東弦先生が受賞されました。また、本学会大会で発表をいただいた、井上 涼先生(東海大学大学院)、寒川 祥先生、中越 泰士郎先生(ともに筑波大学大学院)、金子竜大先生(天理大学)の4名に、若手研究者奨励賞が送られました。
多くの先生方のご協力・ご支援により、無事に第28回大会を終えることができました。この場を借りて、改めて心より御礼を申し上げます。
身体運動文化学会第28回大会
大会実行委員長 軽米克尊