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身体運動文化学会第27回大会(神戸学院大学)報告

 2022年7月17日(日)、18日(月・祝)に、神戸学院大学ポートアイランドキャンパス(17日)と三宮サテライト(18日)で、3年ぶりとなる対面での学会大会を開催しました。

 今大会は、阪神・淡路大震災を経験した本学での開催ということで「災害とスポーツ」をメインテーマとし、大会1日目の基調講演では前林清和先生(神戸学院大学・身体運動文化学会会長)より、「災害時におけるスポーツ支援の意義」でご講演頂きました。災害支援活動には俗(日常)の支援だけではなく、日常を超えた聖(非日常)の支援が不可欠であることを述べたあと、スポーツ場面における様々な事例を取り上げながら、過酷な俗の世界に投げ出された被災者に対して聖の世界を提供することこそが、災害時におけるスポーツ支援の最大の意義であることをお話下さいました。

前林清和先生(神戸学院大学・身体運動文化学会会長)

 シンポジウム後半では、株式会社FUTASの巻誠一郎氏(サッカー元日本代表)、近鉄ライナーズのタウファ統悦氏(ラグビー元日本代表)、国立台湾師範大学の林伯修先生による講演のあと、コーディネーター江田英里香先生(神戸学院大学)の進行で討議が行われました。

シンポジウム「災害とスポーツ」

 巻様からは、熊本地震後の敏速な復興支援の様子やこれからの災害に備えた日本サッカー協会での働きかけなどについて、タウファ様からはトンガ噴火や津波に対する現地の状況やラグビーが繋ぐ役割などについて、林先生からは台湾で起こった自然災害でスポーツが果たした役割や復興支援を通じた台湾と日本スポーツ界との関係についてお話頂きました。このシンポジウムを通して、スポーツが持つ力の大きさを改めて感じることができました。なお、この様子はしばらくの間、下記URLにて動画を配信しております。大会にご参加いただけなかった皆様も、ぜひご覧ください。

 大会2日目には一般研究発表会を開催し、本年度も様々な分野より12名の演者から発表が行われました。学際的な議論を深めると同時に、参加者との質疑応答も活発に展開されました。総会では、本学会大会で発表をいただいた、柴田直生先生(筑波大学大学院)と冨永蘭美衣先生(天理大学大学院)の2名に、若手研究奨励賞の表彰が行われました。コロナ禍以後初めての対面開催となる学会大会でしたが、多くの先生方のご協力・ご支援により、無事に学会大会を終えることができました。この場を借りて、改めて心より御礼を申し上げます。

左:冨永蘭美衣先生(天理大学大学院)、右:柴田直生先生(筑波大学大学院)

※大会1日目のシンポジウムは、「公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構」補助金を財源とする「ひょうご安全の日推進県民会議」の助成を受けて事業を実施しました。

身体運動文化学会第27回大会
事務局長 上谷聡子

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